ラヴァーズ 〜幸せな記憶〜
舌の熱い感触に、びくりと体が跳ねる。
気恥ずかしさにむっと眉を寄せるイザークに対し、レイはくすくす笑った。
そして肩を引き寄せ、抱きしめてくる。
相手の腕の熱さと力強さ、そして重なり合った胸から鼓動が伝わってくるような気がした。
「・・・あっ・・・ッ」
首筋に痛いキス。
歯を立てるなといつも言っているのに・・・。
仕返しとばかりにレイの長い髪を引っ張っても、所有の証である鬱積は次々に広がった。
刺されるような痛みに意識も身体も高揚していく。
「んんっ、はぁ・・・あ」
イザークはいつの間にかレイの背中に爪を立てていた。
その痛みにレイの方も興奮してきたようだ。
やがてイザークにしがみつくような恰好になり、さらにその体を貪ろうと秘所に手を伸ばす。
「・・・ッ、くッ・・・痛!」
「もっと色気のある声出してくださいよ」
「ばっ、か・・・」
入り込んできた指の感触にイザークが身を強張らせる。
頻繁に体を重ねるわけではないのでなかなか慣れないのだ。
イザーク曰く、そんなのに慣れてたまるか、というが、レイにしてみれば痛くない方がいいと思う。
いつも丁寧にやっているつもりだが、イザークは相当痛いのかいつも嫌がっている。
そのくせジェルなどは気持ちが悪いからと使いたがらないので困ったものだ。
「・・・っ、うっ・・・」
しばらくぐちゅぐちゅという卑猥な音と、イザークの押し殺した悲鳴が響く。
慎重に指の数を増やしていったつもりだったが、イザークが唇をきつく噛んでいるのに気付いた。
「イザーク・・・そんなに、つらいですか?」
「平気、だ・・・、だから、もう・・・その・・・」
潤んだ蒼い双眸が空色の瞳と視線を絡める。
ぞくりとしたものがレイの背中を這った。
「欲しい?」
せり上がった欲望を押し隠して耳元で呼びかける。
その言葉に白皙の頬がばっと朱色に染まった。
そして向けられた顔は少し怒っているような、それでいてどこか怯えているような小動物を思い起こさせた。
さすがにレイはもう我慢できなくなり、イザークの足を抱えあげる。
「いきますよ」
「・・・っ」
狭い入り口に熱い楔が宛がわれる。
イザークが一瞬怯えたように体をひくつかせたのを無視し、欲望をねじ込んだ。
「ああぁっ・・・イッ・・・!」
「熱、い・・・」
「いぁっ・・・!レ、イ・・・ッッ」
「もっと、力、抜いて」
相手を征服した感覚と、焼かれるような内部の心地よさにレイは息を吐く。
そして震えているイザークの体をなだめるように抱き、優しくキスをした。
蒼い瞳に生理的な涙が浮かび、唇からは荒い息遣い。
舌を絡ませ熱を煽ると、溜まっていた涙が頬を滑る。
「動きます、よ」
「待って・・・まだ・・・」
待ってなどいられない。
こちらの方が余裕がない、我慢などしていられない。
イザークの片足を己の肩に担ぎ上げる。
さらに深くなった進入に、イザークが更なる嬌声をあげた。
「やあぁっ・・・、ああぁ・・・ッ!」
神経を丸ごと持っていかれるような感覚だ。
しかしそれも次第に甘い痺れに変わっていく。
律動が早くなり、イザークの体ががくがく揺さぶられた。
「んっ・・・ぁ・・・、あぁああっ!」
「良い声・・・」
「バ、カ・・・ッ、う・・・あぁ!」
より強く深くなっていく突き上げに、イザークは意識を保つので精一杯だ。
白い首がのけぞり、無防備にさらされる。
するとレイは一度腰の動きを止め、その首筋に舌を這わせた。
そして今度は絡み付いてくる内壁の感覚を楽しむかのようにゆっくりと引き出し、そして一気に貫く。
「イザーク・・・イザ・・・」
「レイ・・・ッ、レイ!」
やがてイザークが一際高い悲鳴とともに果て。
レイも中に熱を吐き出す。
それでもしつこく疼く奥の熱。
互いの思考は完全に溶けていた。
2006/01/19