エピローグ 〜理想郷〜
「レイの腕は、暖かいな・・・」
ぽつりと呟いたイザークに、レイは何です?と聞き返した。
「なんでもない」
イザークはにっこり笑う。
そしてレイの腕から離れると、ホリゾンブルーのワンピースを翻しながら軽くステップを踏んだ。
「ああ、イザーク!イザークってばっ」
日に焼けちゃいますよ、とレイは日傘を突き出しながら追いかける。
プラントの太陽はまがい物。
それでも彼女の白くきめの細かい肌のことがレイには心配でならない。
イザークは日向のど真ん中、足を開いて腰に手を当てる。
太陽に、私の肌を黒く出来るならしてみろという挑戦だ。
「イザーク・・・人が見てますよ」
レイは肩をすくめながらも日傘を下ろした。
参ったという意思表示だ。
光に包まれたイザークは、輝いていた。
照らされているのではなく、彼女自身・・・その全身からきらきらとした光が滲み出ているようだ。
そこは理想郷(シャングリラ)。
穢れを知ってしまっていても。
諦めきれず、惨めにもがく心を持っていても。
・・・いや、だからこそ。
人が、輝くことができる国。
2006/12/31